金線松図
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古くからある金線描きによる松の表現技法の一つ。かつては留袖などに加工された図案を名古屋帯にて制作。
本来は単一の色で加工するものだが、こちらの作品では半盛りと呼ばれる技法で少し立体的な線をアクセントにしつつ、金線の色も箔2種に金糊も2種使い合計で4種の色を使い表現している。
この作品は金線描きによる表現が全てと言っても過言がないため、作品が単調な平面加工に感じられないよう細かな変化を重ねて加工されている。
黄が強い金色と赤が強い金色を用いることで松全体に奥行きを。線の太さを細かく分けることで繊細な密度を。松の線に短長の変化を。
線は全てフリーハンドで加工を施していく。そのため加工する職人の繊細な技術が必要になる。
パッとみただけではなかなか伝わらないこだわりだが、このような細かな変化の積み重ねが作品に厚みを与え人に伝わる作品が仕上がる。
使用技法
・金線描き
・半盛括り(金線描きの一種)
使用材料
・真鍮粉
・着色箔(純金色、本金色)