木版金彩加工
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東京ギフトショー SOZAI展での田中金彩工芸展示エリアにお越しいただいたお客様からご依頼いただき制作させていただいた雛人形の屏風用木板。
京友禅の金彩加工に施される技法を用いて加工された今回の木板。使用されたのは以下の加工方法
・筒描き(木材用に開発した銀糊による流水の筒描き、盛金加工により雲取りの輪郭線と銀の鶴を引き立てております)
・摺箔 (雲取りの中の紗綾型、鶴は金銀で加工)
絹生地に金彩加工を施すのが本職のためこういった新しい試みには想定をしていない不具合などが見つかったりします。
絹生地と違い手の触れる部分がうまく滑らず、線が安定しないというのが今回の木板加工では特に想定外だった部分。
ふと学生時代にカメラマン用の薄い手袋に指穴を開けて絵を描いていたこと思い出すも学生時代には購買で普通に売っていたものがいざ欲しくなってもどこで売っているのかが全くわからず。
仕事の机に張ったり生地の清掃、箔暈しなどに使用するネル生地を簡易的にホッチキスで繋ぎ合わせて手の滑りをよくする手袋を制作。
これのおかげで格段に加工が安定し制作はかなり捗りました。
金彩の特性として硬いものに加工するほど箔の艶が上がり光沢が出るのですが、紗綾型などはそれが特に顕著に出ました。金彩の可能性が広がり多くの方にもっと身近に感じてもらえるようになって頂ければ幸いですね。
実はそこそこ大掛かりで立体的な木材への金彩加工も施したのですが、それはまだ公開できないため皆様にお伝えできるのは来年3月頃になるでしょうか?
是非楽しみにして頂ければと思います。