金彩ジャンベ
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民族楽器ジャンベに金彩加工を施した作品。元は廃棄寸前のジャンク品である。大学の倉庫に放置されどれほどの期間が経過したのかもわからない。

本来であれば売り物にもならないほど本体の状態はひどいもの。おそらく表面には何かしらの柄が入った生地が巻かれており本来は綺麗なジャンベであっただろうが、それは無惨にも剥がされ生地が剥き出しになっており、定着剤だったであろう黒い塗料がまだらに残っている。
楽器としての機能はかろうじて残っているが安定した使用には耐えられないと思われるこの商品を手にしたのは10年以上も前のこと。大学の倉庫整理に駆り出された際に、古いものを処分するから欲しいものは持ち帰っても構わないとその時関わっていた学生に通達があり私が持ち帰ったものでもある。
それから月日が経ち正直場所を取るこの大きなジャンベが邪魔に感じていたが捨てるにはしのびないと考えていた。このままでは価値を見出されることがないであろうこのジャンベを何か新しい挑戦に利用できないか?金彩の技術を使って何か価値を付与できないか?
そこで楽器としての機能には不安が残るが「新たにインテリアへと復活させることは可能なのではないか?」と思い至り完成したのがこの『金彩ジャンベ』である。




「破棄され失われ行くものにもう一度価値を付与し新たな可能性」を提示する金彩技術の新たなあり方として多種多様な業種の方々とコラボするきっかけになればと思い製作いたしました。