金彩飾りうちわ 『朝顔図』
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今回の飾りうちわには盛金括りなどの技法を施し、まるで和紙に刺繍が施されているかのような立体感を演出し、花には振金により砂子ぼかし、筆の跡をあえて残しリアルな質感を表現した。金彩工芸の技法に多用されるマスキングシートを用いた加工方法は和紙に多大なダメージを与えるため、筆や筒描きなど和紙を傷つけにくい方法で加工している。
図案は鈴木其一作『朝顔図屏風』をモチーフに金彩加工でアレンジしたものである。砂子加工、筒描きによる盛金加工、色箔を使用するなど非常に豪華な加工を施してある。うちはは創業から三百有余年の歴史を持つ老舗の「京うちわ阿似波」さんの京うちわを使用。
盛金などの表現を取り入れているため、うちわが仕立て上がった状態で加工を施すという形式をとっている。これを可能にしたことにより、多くの立体物への加工に可能性を見出すことが可能になった。
使用材料
・着色箔(純金色、青、緑)