しけびき重ね
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図案としての用途は本来横向きに入れることで京友禅の着物にしけびきの表現するもの。それをあえて縦横に交差させることでモダンなデザインに仕上げたアートパネル(30×30cm)。東京ギフトショー SOZAI展にて初展示。
しけびき表現のための型紙を用いて「摺箔」技法により表現した今回の作品。ただ、見た目ほどその工程は単純なものではなく、摺箔の加工に入る前に複数の工程を経由している。
摺箔の工程では基本的には駒ベラを使い糊を摺り込むのだが、今回のしけびき表現にはもっと自由度を与えるため常とは違った方法で加工されている。
このしけびき表現は加工媒体の表情を大きく変えることにも使用できる。写真は依頼がありネクタイにしけびき加工を施したもの。
加工技法、表現方法も同じように見えて内包するものは多岐にわたる。求められた形へ自由に変化させ加工媒体に落とし込んでいくことが職人の仕事の一つだと言えるでしょう。